『ブラックアース―― ホロコーストの歴史と警告』上

ティモシー・スナイダー 著
池田 年穂 訳

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▼ヒトラーの世界を目撃せよ

ヒトラーとは何者だったのか ――。

限られた資源、土地、食糧をめぐる生存競争の妄想にかられたヒトラーは、ポーランド、そしてウクライナの肥沃な土壌(ブラックアース)を求めて侵攻し、国家機構を完璧に破壊し始める。

ドイツの絶え間ない生存競争を、ユダヤ人の倫理観や法感覚が妨げると考えたヒトラーは、やがて、人種に基づく世界、ユダヤ人のいない世界を構想し、それを現実のものとすべく実行に移した ――。

前著『ブラッドランド』でホロコーストの歴史認識を根底から覆した気鋭の歴史家が、ヒトラー「生存圏」(レーベンスラウム)の思想に鋭いメスを入れ、ホロコーストの真因を明らかにする傑作。