『東日本大震災と特別支援教育――共生社会にむけた防災教育を』

田中 真理 編著
川住 隆一 編著
菅井 裕行 編著

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災害が「障害を襲う」ということ
自閉症などの発達障害や、重度・重複障害の子どもたちと保護者の被災体験は、特別支援教育や防災対策に大きな課題を露呈している。
障害特性の理解・啓発、地域連携型の学校づくりをどう展開していくか。
東日本大震災の被災体験から、インクルーシブな防災教育を提言する。

障害に対する理解がなかなか得られにくい時、家族は大変深刻な「災害弱者」になることを、私は実体験を通して痛感した。(第5章より)

災害は全ての人に平等にふりかかるわけではない。障害児・者にとっては、より強く、より長く、そしてより深刻に襲いかかってくる。
命の危険や社会的不利益が少しでも減少するような社会構築のための取り組みをしなくてはならない。震災体験が浮き彫りにしたインクルーシブ社会の重要性、これは特別支援教育がめざすものである。(序章より)